総合雑談掲示板


[84]  エターナルストーリー 2nd Season 


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[87] By それは多いで~すやんという ID:
>>86から
エレノア「(あの顔、どこかで…)
キッド「お、おまえら!!何やってんだ!?こんな所で!
アンジ「い、いや、その…
ユミィ「アンタこそ、一人でコソコソ何やってんのよ!
キッド「あ~っ、もう、いつからいたんだ?
アンジ「……串焼き。
キッド「全部じゃねぇかっ!?
エレノア「あの、お知り合い、ですか?
キッド「あ~、その、なんだ。
キッドはバツが悪そうに頭をかいた。
キッド「さっき言った、ドラゴンと戦った時の仲間さ。これから一緒に、ラプトにも行く。
ユミィ「エレノアさん、元気になったんだ?良かった~。
ユミィは、気安くエレノアの手を握って来る。
エレノア「え…と、お会いした事ありましたかしら?ごめんなさい、物覚えが悪くて…
ユミィ「直接お話するのは初めてかな?でも、有名人だし~♪
アンジ「僕達、エレノアさんと同じ神学校の生徒なんです。だから、何度か見た事はあります。
エレノア「なるほど、そうでしたか…
微笑むと、キッドへ向き直り、
エレノア「良い、お友達のようですね。
キッド「そ、そうか?頼りないし、弱いし、良いところなんか…
ユミィ「ちょっと、それ、どういう意味よっ!
ふざけ合う彼らを見て、エレノアはくすっと笑った。
>>88
2009-11-07 22:37:00
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[86] By それは多いで~すやんという ID:
>>85から
キッド「こないだ、ラプトから来た冒険者に聞いたんだ。ラプトから向こうに、怪しい一団がいるって。
エレノア「…っ!!
キッドは何気なく言ったつもりだったが、みるみるうちに彼女の表情が固くなる。
エレノア「…それで?
キッド「あ…ああ、もしかしたら…その…おまえの兄貴の事さ、何か分かるかも知れねぇと思って。
エレノア「……。
しばし、重い沈黙が流れる。
キッド「だからさ!!
エレノア「!?
ガバッと身を起こしたキッドは、彼女の手を握り、
キッド「俺達が、ラプトまで行って、手掛かりでも見つけて来てやるから!!
エレノア「(ああ…)
彼女は内心がっかりしていた。何でそこで『俺達』なんだろう?何でそこで、私を連れて行くと言ってくれないのだろう?
彼が、本気で私を心配してくれているのは分かる。でももう、待ち続けるなんてごめんだった。今日のように無理矢理にでも、私をどこか遠くへ連れ出し、お兄様の事なんて忘れさせて欲しい。そう思った。
エレノア「(でもそれは、恋、じゃない。ただ、全てを忘れる為に彼を利用したいだけの、悪い女。こんな私に、彼に連れていかれる資格なんか…)
アンジ・ユミィ『わあぁっ!!
声に振り向くと、草むらから少年と少女が転がり出て来るところだった。
>>87
2009-11-07 22:00:00
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[85] By それは多いで~すやんという ID:
>>84から
ユミィ「ねぇねぇ、あれってデート、よね?
アンジ「う~ん……
異論は無かった。認めたくも無かった。
……何で認めたくないんだ?
ユミィ「ん~、良いなー。私も、エレノアさんみたいな人と結婚したいな。

……………。

アンジ「…………はあっ??
アンジは一瞬、自分の耳を疑った。
アンジ「ユミィって、エレノアさんみたいな人がタイプなのっ!?
ユミィは女の子、エレノアも女の子、女の子と、女の子で………えぇぇぇ~っ!?
ユミィ「アンタ、何か変な想像してない?
ユミィが冷ややかな目でアンジを見る。
アンジ「ほへ?
ユミィ「エレノアさん、お金持ちじゃない、玉の輿でしょ。良いな~。どこかに、白馬の王子様いないかな?
アンジ「あ~、………ははは。

キッド「よっ……と。
キッドは道外れの芝生に寝転んで、雲を眺める。
キッド「俺達、昨日ドラゴンと戦ったんだ。
エレノア「ドラゴン…ですか?
キッド「ああ、ビル隊長や軍でも、歯が立たない化け物だ。
エレノア「まぁ、そんな危険な事を?
キッド「それで、今度ラプトまで援軍を頼みに行く事になった。
エレノア「そうなのですか…。気をつけて下さいね。
キッド「それで…さ。
キッドはちらっと彼女を一瞥すると、再び空へ視線を戻した。
>>86
2009-11-07 21:04:00
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[84] By それは多いで~すやんという ID:
>>83から
屋台の前で、キッドは焼いた肉に木串が刺さった料理を指差した。
キッド「ルー、串焼き二つくれ。
ルールー「毎度!けど、今日はどうしたんだ?綺麗なお嬢さんなんか連れちゃってさ。
キッド「ちょっとな。みんなには内緒だぜ。
ルールー「分かったよ。ほい、出来た。熱いから、気をつけて下さいね。
湯気の立つ肉を、エレノアとキッドそれぞれに手渡す。
エレノア「わぁ、良い香り。早く食べてみたいです。ボーイさん、早くナイフとフォークを下さい♪
ルールー「な、ナイフ!?
キッド「ははっ。良いかい?こうやって…
キッドは大袈裟に肉にかぶりつき、
キッド「ほや、こうにゃって食べゆんだ。
エレノア「まぁ、そうなのですね。マナーも知らずに私ったら…
キッド「うん、旨い!
エレノア「じゃあ、私も……
彼女もキッドの真似をして、大袈裟に肉にかぶりつく。
エレノア「………!!
口の中に広がる甘い肉汁、香ばしい焼き加減……それは屋敷のシェフの料理にも勝るとも劣らない旨さだった。いや、屋敷で食べる冷たい料理なんかより、こちらの方が旨いかも知れない。
ルールー「どうです、美味しいですか?
エレノア「はい!こんなに美味しいもの、生まれて初めてです!
そう言うエレノアの顔はもう曇っていなかった。
>>85
2009-11-07 20:34:00
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[83] By それは多いで~すやんという ID:
>>82から
ユミィ「ねぇねぇ、次あれ、あれ食べよ♪
アンジ「え~?まだ食べるの?
買い物もしてはいるが、屋台に寄る回数の方が明らかに多い。食べるのは、良いとしても、荷物を持たされて引っ張り回される身にもなって欲しい。
ユミィ「はい、これ、アンジの分。
アンジ「僕もうお腹いっぱいだよ~。
ユミィ「何言って…んん?
言いかけた言葉を飲み込み、彼女はアンジの背後を見つめている。
アンジ「どうしたの?
ユミィ「ちょっとこっち!
にわかに、彼女はアンジの腕を引っぱって屋台の裏に行こうとした。
アンジ「わっ、荷物が!
ユミィ「(静かにしてっ!!)
アンジ「(何なんだよぉ~)
急にひそひそ声になり、もの陰に隠れる。どう見ても怪しいと思うが…。
ユミィ「(ほら、あれ。)
彼女の指差す先を歩いて来るのは、一組の男女。
アンジ「(あれって…アンジ?隣にいるのは…エレノアさん!?何で!?)
ユミィ「(知らないわよ。でも、なんか良い雰囲気じゃない?)
アンジ「(う~ん、良く分からないけど…)
分からないが…デートに見えるのは間違いない。
アンジ「(一体、何を話してるんだろう?)
ユミィ「(手なんか繋いじゃって。よ~し、後をつけるわよ。)
アンジ「(ええっ!?)
アンジが止める間もなく、ユミィは尾行を開始した。
>>84
2009-11-07 20:04:00
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[82] By 単なる内容あるほど早いで~す ID:
>>81から
キッド「な、なぁ。
そのまま立ち去ろうとする彼女の背に、キッドは慌てて声をかける。
キッド「ちゃんと、飯、喰ってるのか?
エレノア「もちろんで『グゥゥゥ~ッ』。

…………。

不意に鳴いたエレノアの腹の虫に、お互い顔を見合わせて言葉を失う。
キッド「……
エレノア「………
キッド「ふっ、
エレノア「……ぷっ。
キッド「はははは。何だ、やっぱり腹すいてるんじゃねぇか。
エレノア「きっ、きっ、聞かなかった事にして下さいっ!
キッド「よし、何か食いに行くか!
エレノア「えっ!?
キッドは彼女の体を前に横抱きにして、そのまま手すりに足をかける。
エレノア「ちょっと、ここ二階ですよっ!?
キッド「任せなっ!それっ!!
エレノア「キャァァァッ!!
頭を抑えた彼女の手から、バラけた花束が風を受けて舞い上り、二人は宙を飛んだ。
>>83お願いします~
2009-11-07 15:13:00
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[81] By 単なる内容あるほど早いで~す ID:
>>80から
キッド「アンタが魔法と思うなら、それは魔法さ。綺麗だろ?ラプトまで行って取って来たんだ。
エレノア「ふふっ、それはご苦労様でした。この花は平地に咲く花、高地には生えていません。草原とか…そう、この街とか。
花束を手に取ると、エレノアは顔を近付けて匂いを嗅ぐ。
エレノア「ん~、でも、良い香り…
キッド「ちぇっ、バレバレか。…でもよ。
キッドは恥ずかしそうに目を逸らし、
キッド「やっぱ、そんな風に笑ってた方がアンタらしいぜ。
エレノア「……。
それを聞いた途端、彼女の顔から笑顔が消えた。
キッド「(あっちゃ~、失敗した。)
エレノア「綺麗なお花、ありがとうございました。それでは予定がありますので、これで失礼致します。
普段の無表情に戻った彼女は、そそくさと立ち上がりキッドに背を向ける。
>>82
2009-11-07 14:42:00
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[80] By 単なる内容あるほど早いで~す ID:
>>79から
床まで届く大きな窓を開け放つと、爽やかな風が流れ込んで彼女の長い髪を揺らす。
エレノア「どうして、こうなってしまったのかしら……
南向きのバルコニーへ出ると、暖かい日差しが彼女を包み、少し落ち着く。
と、鼻腔を花の香りが通り抜けた。
キッド「わっ!!!!
エレノア「…………!!
声にならない悲鳴を上げ、エレノアは反射的に両手を突き出した。
キッド「おっ、とっ、とっ、
エレノア「あぁっ!!
バルコニーの手すりに腰掛けていたキッドは、エレノアの突きを受けて二階から消えた。
エレノア「キッド様!!
慌てて彼女は手すりに駆け寄り、下を覗き込む。
キッド「なんてね。
エレノア「キャッ!
ヌッと鼻先に現れたキッドの顔に、エレノアは驚いて腰を抜かしてしまった。
エレノア「き、キッド様!悪戯が過ぎます!
キッド「あっはっは、悪い悪い。
キッドは身軽にひらりとバルコニーに着地すると、尻餅をついているエレノアに手を差し出す。
キッド「さぁ、お嬢様。
エレノア「もう。
その手を掴んで立ち上がろうとした彼女だったが、不意にその手に現れた花束を見て目を丸くした。
エレノア「わぁ♪今の、どうやったのです?魔法ですか?
その顔は普段の彼女からは想像もつかない程、キラキラと輝いていた。
>>81
2009-11-07 13:05:00
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[79] By 単なる内容あるほど早いで~す ID:
>>78から
バウズ「やはり、おまえでもダメか?
壁際から姿を表した男がメイドに声をかける。彼女は静かに首を振り、
メイド「はい…。お料理も殆ど口にしていらっしゃいません。あのままでは、お身体もまいってしまいます。
バウズ「勝手に外出して帰って来ない放蕩者も困るが、家に閉じ込もられるのもな。どうすれば良いと言うのだ…
メイド「学校のお友達と会えば少しは良くなるかと、ピクニックにお誘いしてはあるのですが…
バウズ「おお!なるほど。準備が良いな。
メイド「でも、あのご様子では、お嬢様の方がピクニックに行かれるかどうか…
バウズ「う~む…。
さしもの海運王バウズ・ガウズも、子供の扱いは不得手なようである。
メイド「ともかく、用意をして参ります。
バウズ「うむ、頼む。

天蓋ごしに扉の向こうの様子を窺っていると、やがて二人分の足音が遠ざかった。
エレノア「ふぅ…。
小さく息を吐くと、エレノアは腰掛けたベッドから立ち上がり窓の方へ歩いて行く。ピクニックになど、出掛ける気分にはなれなかった。かと言ってずっと家にいたい気分でもなかったが。
今の彼女には、窓を開ければすぐそこにあるはずの人々のざわめきが、やけに遠い世界のもののように感じられた。
>>80
2009-11-07 12:16:00
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[78] By 単なる内容あるほど早いで~す ID:
>>77から
ユミィ「わぁ、良い匂い♪
アンジ「わっ、たっ、とっ、な、何っ!?
急に立ち止まったユミィに、アンジは危うくぶつかりそうになる。
ユミィ「ね、ね、良いもん見つけちゃった、クレープ屋さんがあるよ、食べてこうよ。
アンジ「へ?クレ?買い物は……
返事も聞かずに歩き出す彼女の後を追い、アンジも慌ててついていく。これから先も二人には振り回されそうだ、そう不安になるアンジだったが、そこに居心地の良さを感じ始めている自分がいる事には、気づいてはいなかった。

重い樫の扉の向こうから声がする。
?A「そうだ、今日は天気もよろしいですし、ピクニックにでも行きましょう。ね?美味しいアールグレイと、ビスケットに甘酸っぱいマーマレードを乗せて、お口の中に広がる芳醇な香り…楽しみですね♪わたくし、準備して参りますわ♪
カチャカチャと言う音と足音が聞こえ、不意に扉が開く。
?B「おっ…と。はっ。
扉に頭をつけて聞き耳を立てていた男がバランスを崩し、慌てて口を塞ぎ壁際に隠れる。…バレバレだが。
?A「それでは、失礼致します。
部屋から出て来たメイドは、誰もいないかのように静かな室内に向かって一礼し、静かに扉を閉めた。
>>79
2009-11-07 09:00:00
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