[86] By それは多いで~すやんという ID:
>>85から
キッド「こないだ、ラプトから来た冒険者に聞いたんだ。ラプトから向こうに、怪しい一団がいるって。
エレノア「…っ!!
キッドは何気なく言ったつもりだったが、みるみるうちに彼女の表情が固くなる。
エレノア「…それで?
キッド「あ…ああ、もしかしたら…その…おまえの兄貴の事さ、何か分かるかも知れねぇと思って。
エレノア「……。
しばし、重い沈黙が流れる。
キッド「だからさ!!
エレノア「!?
ガバッと身を起こしたキッドは、彼女の手を握り、
キッド「俺達が、ラプトまで行って、手掛かりでも見つけて来てやるから!!
エレノア「(ああ…)
彼女は内心がっかりしていた。何でそこで『俺達』なんだろう?何でそこで、私を連れて行くと言ってくれないのだろう?
彼が、本気で私を心配してくれているのは分かる。でももう、待ち続けるなんてごめんだった。今日のように無理矢理にでも、私をどこか遠くへ連れ出し、お兄様の事なんて忘れさせて欲しい。そう思った。
エレノア「(でもそれは、恋、じゃない。ただ、全てを忘れる為に彼を利用したいだけの、悪い女。こんな私に、彼に連れていかれる資格なんか…)
アンジ・ユミィ『わあぁっ!!
声に振り向くと、草むらから少年と少女が転がり出て来るところだった。
>>87へ
2009-11-07 22:00:00
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