[27] By 名無し ID:
>>26
日が暮れてきたので今日は休むことにした
KID
今日はANJIの家で泊まろうか
ANJI
なんで家なんだよ
KID
ふわふわの布団で眠りたくてさ
ANJIも自分家なら落ち着くだろう? 明日の行動に付いても話し合いたいし
ANJI
うーむ 今日は疲れたからゆっくり出来る家にしようかな…
KID
YUMIYも来るだろ?
YUMIY
えっ 私は…変なん事したら許さないからね
KID ANJI
ないない
こうして3人はANJIの家に向かった
>>28
2009-04-14 01:31:00
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[26] By 名無し ID:
>>25
打ち捨てられていた屍…否、KIDは、ゆっくりと両手を上げながら器用に起き上がると、先程の軽口とは対照的に神妙な面持ちで口を開いた
「見ての通り、俺はもう何も金目の物は持ってねぇ
頼む、どうにか見逃し…」
「アンタ、私の話を聞いてた?
大切な私の杖はこいつが取ったまま
見逃してなんてどの口が言えるの?
ねぇ、この口?この口が悪いの?
何もアテは無いのかしら?」
顎を掴み、KIDの顔を今にも殺しそうな視線で覗き込むYUMIY
しかし、顔を恐怖に歪め引き攣りながらも未だ口をパクパクと動かせるKIDへANJIは素直に尊敬(と憐憫)の眼差しを向けられた
…が
「わ、悪いのは俺じゃねぇ…
アイツが懐かれたのが悪いんだろ!
アイツだ、ANJIだ!」
「確かに…それもそうね」
KIDの顎から手を離し視線を後ろへ向けたYUMIY
その視線の先には、蛇に睨まれた蛙の様に固まる少年
友情とは案外儚い物である
「落ち着いてYUMIY、暴力じゃ何も解決しなブホッ」
「じゃあ何で解決するの?
お金が無いから弁償出来ないんでしょ?
さっきも私の事全然考えないでどんどん先行って…少しも悪びれて無いじゃない!
どうやって償わせようかしら…」
YUMIYの回し蹴りでKIDに代わる屍として地面に転がるANJI
KIDの様に何か言える状態ではなさそうだ
憎悪の篭った視線からKIDは苦しそうに目を逸らす
「決めたわ」
同時にビクリと身体を竦める2人
「アナタ達が私の杖の代わりを見繕うまでは、その安っぽい杖で我慢してあげる
でも、逃げ出されたらこっちは堪ったもんじゃないの、分かるわよね?
アナタ達は今2人みたいだし、丁度良いじゃない
代わりの杖が貰えるまで着いて行くわ
文句無いわよね?」
「「ありません」」
其の一、装備品を整える事
其の二、旅の連れを探す事
当初の目的は完璧に達成された
が、KIDとANJIは薄暗い曇天の下をまるで葬列の様な面持ちで歩く
…願わくば、二人の旅路に幸あれ
「そういえば、ドレイクの退治だったな…」
「…多分、ちょっとはお金になるよね」
「え?2人共何の話?」
日が暮れようとしている
明日から始まる3人旅を思うと、KIDとANJIの頭痛は止まなかった
>>27
2009-04-07 18:24:00
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[25] By 名無し ID:
>>24続
「その杖はね、トネリコの木で作られているの」
えっと思わず驚きの声をあげるANJI。
――トネリコ、それは黒魔導を学ぶ者なら知っていて当然の木。
黒魔道師は、神官が断罪に使う様な金属製の杖や槌ではなく、魔力を溜め込み易く、又魔力を増幅しやすい木製の杖を使うのが一般的だ。
特にトネリコで作られた杖は、非常に性能が高く、希少性も高い。
それ故、トネリコの杖は常に高値で取引されており、一般に出回る事は殆ど無い。
驚きを隠せないANJIを余所に、話を続けるYUMIY。
「それにその杖はね、私の家に代々受継がれてきた由緒ある杖なの。なんでも、『悲劇の聖戦』以前に存在した、世界を支えているとまで言われた程の大きなトネリコの木の一部で作られたモノらしいわ」
その木についての話を以前聞いた事がある。
普通ならば、様々なモノから生み出される普遍の力『オウラ』は、湧いては流れ落ちてゆく水の様に、止まる事なく世界を巡り、消えてゆくモノだ。
しかしそのトネリコの木は、その大きさ故に、本来なら止まる事なく流れ消えてゆくオウラを大量に溜め込む事が出来た。
そして、そのトネリコのお陰で世界は常にオウラに満たされている状態を保ち続けていた。
『悲劇の聖戦』が起こるまでは。
「――つまり、世界の全てのオウラを集約したトネリコの木だからこそ、アンタに様々な事を教えたり、持ち主を選んだりするって訳…って聞いてる?」
自慢気に鼻を鳴していたYUMIYだが、ANJIが少し上の空なのに気付くと直ぐさま不機嫌そうな顔になる。
想像よりもスケールの大きな話に少しあてられた様な心地がするANJI。
「…本当かどうかは別として、何で僕がそんな杖に気に入られたんだよ」
率直な疑問を投げ掛ける事しか出来なかった。
するとYUMIYも、腰に拳を当て、得心していないといった面持ちをしていた。
「そんなの私にだって分からないわよ」
諦めの混った深い溜息をつく。
「そんな事より、私の代りの杖は?まさか安モンじゃないでしょうね?」
話題が尽きた所で本題へと戻るYUMIYだが
ギクッ
打ち捨てられていた一人の男が明らかな動揺を見せていた。
「……」
無言で笑顔浮かべるYUMIY。
目は笑っていなかった。
>>26へ
2009-04-07 17:02:00
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[24] By 名無し ID:
>>22続
今にも怒りだしそうなYUMIYに少々の気を配りつつ、KIDに一部始終を伝えた。
「なるほどなぁ、つまりその娘の杖を盗っちまったって事か」
勝手に説明を要約して合点するKID。
「KID…一体何を聞いてたの…」
どうすれば自分の説明の中から盗ったと言う表現を拾い上げられるのかと頭を抱えるANJI。
後ろにいたYUMIYの機嫌が、こころなしか少し良くなっている気がした。
ANJIが二人に絶望してうなだれているとKIDが再び口を開いた。
「だってよ、その杖を返しゃあ良い話だろ?なのに返さないって事は盗った様なモンだろ」
そう言い、ANJIの腰に付いたホルダーにしまわれている杖を指差した。
が、すかさずYUMIYが大袈裟な溜息をつき、オーバーアクション気味に首を振った。
「そんな簡単な問題じゃないの。その杖は…そうね、簡単に言えば意思があるって感じかしら」
「「は?」」
思わずハモるANJIとKID。
大して長く人生を生きては無いので知らない事の方が多いのは当然な訳だが、それでもこの説明は十二分に受け入れ難いモノだった。
恐らく、今年でこの街に住む大半の人間が受け入れられないだろう。
「えーっと、悩みがあるならバスカルの母に言った方グハッ」
「失礼ね!私はいたって正常よ!」
鋭い蛙跳びアッパーを顎に食らい、宙を舞うKID。
同じ様な内容の言葉を口にしようとしたANJIは慌てて口を噤んだ。
中々良いパンチじゃないか、と一言呟き果てるKID。
YUMIYはKIDの遺体を一瞥し、再びこちらに向き直る。
「どうせアンタも信じてないんでしょ?」
その問い掛けに物凄い勢いで首を左右に振るANJI。
その様子を見て満足気に微笑むYUMIY。
「中々柔らかい頭してるじゃない♪ならアンタには説明してあげる」
――自分でそう仕向けた癖に…
けして口にしてはならない言葉を心で呟き、しまい込むANJI。
そんなANJIの本心など知る筈もなく、YUMIYは話始めた。
>>25へ
2009-04-07 16:17:00
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[22] By 名無し ID:
>>19>>20で内容が完結していてストーリーに変化が無く、尚且つ次番へ安価も引かれておらず、更に>>20は>>3の規定に抵触している為…
>>18から再開という前提で書きますね^^
皆まで言わせるなyp
>>18
(全く、一体この杖の何処がそんなに危ないのさ
この杖のお陰で行き先が決まってる様なもんなのに…)
先のやり取りでかなり不機嫌なANJIは、小柄なYUMIYが遅れる事も意に介さず足早に杖で浮かんだ店を目指す
YUMIYも必死に追い掛けてはいるが、元の歩幅に差がある以上どうしても追い付けない
「ちょ、ちょっと、ANJIってば…もう少しゆっくり歩いて!」
人混みに今にも押し流されそうなYUMIYは精一杯ANJIへ叫ぶが、不機嫌なANJIにはその言葉が余計に腹立たしかった
「なんだって?
急げ、待てないって言ったのはどっちだよ!
さっきから散々勝手な事言ってさ…本当、良い加減にして欲しいよ!
君のペースなんて知る訳無いだろ!」
「そ、そんな風に言う事無いじゃないの!
アンタだって…」
「僕が何したって言うんだ!
さっさと来てよ!」
YUMIYも押し黙ってしまいお互いの距離が縮まる事も無く、ANJIの気に掛けていた曇天は依然として空に居座っていた
それから歩く事10分、漸く杖で見た店に着く
幸いKIDは露店の店主と世間話をしていた様で、場所を移してはいなかった
「ほらいたよ、アイツが連れのKID
YUMIY、聞いてる?」
「…聞いてるわよ
早く、杖貰ってきて」
人混みに揉まれかなり憔悴しているYUMIYに覇気は無い
さっさとKIDに事情を話した方が良いかも知れない
「おーい!KID!」
「ん? あれ、ANJI?
どうしたんだよ、そんな時間経って無いだろう? もう人探しは済んだのかよ
…って、なんだいANJI君、その可愛い子は
君も隅に置けないですなぁ(喜」
後ろを見ると俯いたYUMIYの手が震えている(恐らくは、怒りで)
…さっさとKIDに事情を話した方が良いかも知れない
>>24頼んだ
2009-04-03 20:06:00
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[21] By 名無し ID:
一瞬パロディスレに入ったかと思ったぜww
2009-04-03 15:44:00
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[20] By あ ID:
>>19
KIDは情報収集のために街に出ていたら声をかけられた
ERI:ちょっとそこの君~
KID:は、はい!
ERI:いま時間ある~??
KID:あるといえばありますが…
ERI:それならちょっとだけ遊びませんか~?? 中学生の子もいるけど~
私とどちらにする~??
KID:え!? それなら中学生の子で…
ERI:わかったわぁ~
KAIRIちゃん、ちょっときて~
KAIRI:は、はい!
KID:(か、かわいい)
KAIRI:あ、あの宜しくお願いします…
KID:よ、宜しくお願いします
ERI:KAIRIちゃんは初めてだから色々と教えてあげてね~
それじゃあまたね♪
KAIRI:とりあえずどこに行きます…?
KID:ラブホでバコバコしたいです!
KAIRI:は、はい…わかりました
そうしてKIDは色々な情報を手に入れたのであった
2009-04-03 15:28:00
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[19] By な ID:
>>18
んじゃ おっちゃんまたな
ちょっと買いすぎたかな
KIDは財布の中身を覗いたが残り残高83Bだった
KID
しまった…武器がブロンズナイフでは頼りないな…
まぁいいか
集合まで時間があるから街の人と話しでもしようかな
KIDは情報収集の為に街人に話し掛ける事にした
2009-04-03 10:39:00
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[18] By 名無し ID:
>>17続き
杖の力に連れられた数秒間の旅は終わり、我に帰るANJI。
ふぅっと一息つく。
が、その次の瞬間、左頬に強烈な衝撃を受けた。
突然の事に堪える事も出来ず、地面へと倒れ込む。
「いい加減目を覚ましなさい!この馬 鹿男!」
ワナワナと怒りに打ちふるえている様子のYUMIY。
ANJIはYUMIYの鋭いビンタに軽く脳震盪を起こしていた。
クラクラと視界の定まらない内にまたYUMIYが怒鳴る。
「その杖の力はそんな気安く使って良いもんじゃないの!下手すればそのまま意識を持っていかれる事だってあるのよ!?」
言い終わった後もまだ興奮が収まらない様子のYUMIY。
だがそんな情報は初耳なANJIは、心配をかけて申し訳ないと言う気持ちより、理不尽なビンタに怒りを覚えた。
顔を振り、視界を調えながらゆっくりと立ち上がるANJI。
手を見ると、倒れた時に手を突いたのか広く擦り剥けていた。
気付くと体の至る所が痛い。
それが余計ANJIの怒りを駆り立てた。
「そんな…そんな重要な事なら、前もって言っとけば良いじゃないか!第一、こうやって無事に戻ってこれたのに何が問題なのさ!」
思わず怒りが爆発するが、YUMIYも負けてはいなかった。
「うるさい!そんなのたまたまよ、たまたま!人の杖を盗んでおきながら偉そうに!」
「いつ僕が杖を盗んだんだよ!話にならないよ!」
あまりの理不尽さに怒りを通り超して呆れが入るANJI。
「うるさいうるさい!サッサとアンタの連れの所に連れて行きなさいよ!このグズ!」
絶え間なく罵り合い、至近距離で啀み合う二人。
フンッとお互い顔を背け、その状態が数秒間続いた。
そして、何も言わずにANJIが歩き出し、その後を、これまた何も言わずに付いて行くYUMIY。
終始無言のままの険悪なムードでKIDのもとへと向かう二人。
一方のKIDは、相方がそんな事になっているとも知らずにご機嫌に買物を続けていた。
「お、これ安いな♪おっちゃんこれくれ!」
「毎度あり!ところでよぉKID、とうとうスリからは足洗ったのかい?」
「さぁ、どうだろうな」
「なぁに言ってやがんだ、いつかBILL中尉にしょっぴかれんぞ!」
「おいおい、冗談キツいぜ…」
ワハハと笑い合う二人。
とても和やかだった。
そんな所へ、少しずつあの嵐が近付いてきている事など、知る由もなかった。
>>19>>22へ
2009-03-31 03:07:00
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[17] By 名無し ID:
>>16続
慣れない雑踏の中、二人はKIDを探して歩き続けていた。
探し始めてからどれ程の時間が経っただろう。
頬や額には、うっすらと汗が溜まっている。
勝ち気なYUMIYも流石に疲れたのか、口数が少なくなっていた。
何処を見ても人ばかりで、まともに探す事さえできない。
「これじゃキリがないよ…」
困り果てるANJI。
突然立ち止まったANJIの背中にゴスっと頭をぶつけるYUMIY。
「いきなり止まらないでよ、痛いじゃない」
疲れからかややトーンダウンしていた。
だがむしろ、先程より迫力が増した様な気がしないでもない。
その迫力にANJIは少し怖じ気付く。
「ゴ、ゴメン、でもただ闇雲に歩くだけじゃ見つからないなと思って」
「じゃあ、どうするって言うのよ」
YUMIYはふてくされた様に頬を膨らました。
こめかみを人指し指でコツコツつつきながら思案を巡らすANJI。
KIDの行動パターンから居場所を推測しようにも、二人は幼馴染と言うだけでKIDは何が好きとかどんな癖があるかとかあまり良く知らない。
誰かに聞こうにも、KIDの評判はあまり良くないのでこれもボツ。
何の良策も浮かばないな、と諦めかけたその時。
「…そうか、この杖を使えば良いかも」
そう言うと、ホルダーにしまっておいた杖をおもむろに取り出すANJI。
そして、ゆっくりと目を閉じ瞑想に入る。
すると、先程感じたあの不思議な感覚がANJIを包み込んだ。
全速力で走った時の様な風を切る感覚の、何倍も爽快な感覚だった。
「………………!」
YUMIYが何かを言っている様だがオウラの流れに掻き消され良く聞こえない。
その代わり、バスカル中の情報が手に取る様に頭の中へと流れ込む。
そして……
――見つけた
>>18へ
2009-03-31 02:19:00
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