[17] By 名無し ID:
>>16続
慣れない雑踏の中、二人はKIDを探して歩き続けていた。
探し始めてからどれ程の時間が経っただろう。
頬や額には、うっすらと汗が溜まっている。
勝ち気なYUMIYも流石に疲れたのか、口数が少なくなっていた。
何処を見ても人ばかりで、まともに探す事さえできない。
「これじゃキリがないよ…」
困り果てるANJI。
突然立ち止まったANJIの背中にゴスっと頭をぶつけるYUMIY。
「いきなり止まらないでよ、痛いじゃない」
疲れからかややトーンダウンしていた。
だがむしろ、先程より迫力が増した様な気がしないでもない。
その迫力にANJIは少し怖じ気付く。
「ゴ、ゴメン、でもただ闇雲に歩くだけじゃ見つからないなと思って」
「じゃあ、どうするって言うのよ」
YUMIYはふてくされた様に頬を膨らました。
こめかみを人指し指でコツコツつつきながら思案を巡らすANJI。
KIDの行動パターンから居場所を推測しようにも、二人は幼馴染と言うだけでKIDは何が好きとかどんな癖があるかとかあまり良く知らない。
誰かに聞こうにも、KIDの評判はあまり良くないのでこれもボツ。
何の良策も浮かばないな、と諦めかけたその時。
「…そうか、この杖を使えば良いかも」
そう言うと、ホルダーにしまっておいた杖をおもむろに取り出すANJI。
そして、ゆっくりと目を閉じ瞑想に入る。
すると、先程感じたあの不思議な感覚がANJIを包み込んだ。
全速力で走った時の様な風を切る感覚の、何倍も爽快な感覚だった。
「………………!」
YUMIYが何かを言っている様だがオウラの流れに掻き消され良く聞こえない。
その代わり、バスカル中の情報が手に取る様に頭の中へと流れ込む。
そして……
――見つけた
>>18へ
2009-03-31 02:19:00
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