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[84]  エターナルストーリー 2nd Season 


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[26] By 名無し ID:
>>25
打ち捨てられていた屍…否、KIDは、ゆっくりと両手を上げながら器用に起き上がると、先程の軽口とは対照的に神妙な面持ちで口を開いた

「見ての通り、俺はもう何も金目の物は持ってねぇ
頼む、どうにか見逃し…」
「アンタ、私の話を聞いてた?
大切な私の杖はこいつが取ったまま
見逃してなんてどの口が言えるの?
ねぇ、この口?この口が悪いの?
何もアテは無いのかしら?」

顎を掴み、KIDの顔を今にも殺しそうな視線で覗き込むYUMIY
しかし、顔を恐怖に歪め引き攣りながらも未だ口をパクパクと動かせるKIDへANJIは素直に尊敬(と憐憫)の眼差しを向けられた
…が

「わ、悪いのは俺じゃねぇ…
アイツが懐かれたのが悪いんだろ!
アイツだ、ANJIだ!」
「確かに…それもそうね」

KIDの顎から手を離し視線を後ろへ向けたYUMIY
その視線の先には、蛇に睨まれた蛙の様に固まる少年
友情とは案外儚い物である

「落ち着いてYUMIY、暴力じゃ何も解決しなブホッ」
「じゃあ何で解決するの?
お金が無いから弁償出来ないんでしょ?
さっきも私の事全然考えないでどんどん先行って…少しも悪びれて無いじゃない!
どうやって償わせようかしら…」

YUMIYの回し蹴りでKIDに代わる屍として地面に転がるANJI
KIDの様に何か言える状態ではなさそうだ
憎悪の篭った視線からKIDは苦しそうに目を逸らす

「決めたわ」

同時にビクリと身体を竦める2人

「アナタ達が私の杖の代わりを見繕うまでは、その安っぽい杖で我慢してあげる
でも、逃げ出されたらこっちは堪ったもんじゃないの、分かるわよね?
アナタ達は今2人みたいだし、丁度良いじゃない
代わりの杖が貰えるまで着いて行くわ
文句無いわよね?」
「「ありません」」

其の一、装備品を整える事
其の二、旅の連れを探す事
当初の目的は完璧に達成された
が、KIDとANJIは薄暗い曇天の下をまるで葬列の様な面持ちで歩く
…願わくば、二人の旅路に幸あれ

「そういえば、ドレイクの退治だったな…」
「…多分、ちょっとはお金になるよね」
「え?2人共何の話?」

日が暮れようとしている
明日から始まる3人旅を思うと、KIDとANJIの頭痛は止まなかった

>>27
2009-04-07 18:24:00
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