総合雑談掲示板


[84]  エターナルストーリー 2nd Season 


[返信] [検索] [最古] [最新]



前のページ | 次のページ

[16] By 名無し ID:
>>14
一応…本当に一応、それを手に取ってみる
確かに、さっきの物とは似ていた
長さといい、色といい、質感といい
…が、違う筈だ さっきの少女に奪われた杖が此処にある筈がない
(これはさっきのとは違う、僕は何も見ていないんだ)
半ば奇妙な自己暗示を自らに掛ける様にして杖から手を離そうとするANJI
しかし、ハッと視線を上げた先には…
物陰に隠れこちらの様子を窺っている、さっきの少女と良く似た誰かが…
正直未だに訳が分からないが、この杖が誰の物で、その持ち主が何処にいて、ついでにあの物陰から覗く人間が誰か…現実へ悲鳴を上げる頭は残酷にも把握してしまった
「…そ、その杖に懐かれるなんて、やるじゃないのアンタ」
「いや、訳が分からないよ 先ずは落ち着いて説明して欲し…」
「要するに、それは私の杖って事よ!だから返して!」
頭が痛い
さっき杖を奪われた記憶は白昼夢だったとでも言うのか…?
「いや、さっき僕から杖を奪…取って行ったよね?
僕は何もこの杖を取ろうとなんてしてないし、出来れば関わりたくな…」
「何回も言わせないで!それは、私のなの!」
「最後まで話聞いてって…
これじゃ何回も同じ事の繰り返しになりかねないでしょ」
目の前の少女はさっきと似た声を出しながら少し悩んだ後、ANJIの耳が拒絶する事も構わず言い放った
「じゃあそれあげるから弁償して!あるいは新しいの買って!」
……
「……」
呆れて物が言えない
「ねぇ!」
「分かったよ、分かりましたよ、わるぅございましたよ!
今お金は連れが持ってるから待ってくれないかな
僕の杖をちょうど買いに行ってるから、代わりにそれあげるよ」
この少女の相手をしているとストレスで寿命が縮みそうだ
だがANJIの提案は幸いにも受け入れられたらしく、少女は一応納得したかの様な面持ちをしている
「何処にいるの?」
「日が暮れる頃には教会前で落ち合う予定だよ
まだ結構掛かると思うから待っ」
「待てないわ」
また遮られた ここまで来れば寧ろ清々しい
「じゃあ、一体どうしろっていうんだよ!
連れは今、この人混みの中で買い物してるんだよ?
探してたらそれこそ日が暮れちゃうよ」
「探せば良いじゃない!日が暮れるまで暇よりマシよ」
…仕方ない、腹を括ろう

「…君の名前は?」
「YUMIよ」
「僕はANJI」
「そっ よろしくね」
「うん…よろしく」

>>17頼む
2009-03-30 18:58:00
[返信] [編集] [報告]



前のページ | 次のページ