[16] By 名無し ID:
>>14
一応…本当に一応、それを手に取ってみる
確かに、さっきの物とは似ていた
長さといい、色といい、質感といい
…が、違う筈だ さっきの少女に奪われた杖が此処にある筈がない
(これはさっきのとは違う、僕は何も見ていないんだ)
半ば奇妙な自己暗示を自らに掛ける様にして杖から手を離そうとするANJI
しかし、ハッと視線を上げた先には…
物陰に隠れこちらの様子を窺っている、さっきの少女と良く似た誰かが…
正直未だに訳が分からないが、この杖が誰の物で、その持ち主が何処にいて、ついでにあの物陰から覗く人間が誰か…現実へ悲鳴を上げる頭は残酷にも把握してしまった
「…そ、その杖に懐かれるなんて、やるじゃないのアンタ」
「いや、訳が分からないよ 先ずは落ち着いて説明して欲し…」
「要するに、それは私の杖って事よ!だから返して!」
頭が痛い
さっき杖を奪われた記憶は白昼夢だったとでも言うのか…?
「いや、さっき僕から杖を奪…取って行ったよね?
僕は何もこの杖を取ろうとなんてしてないし、出来れば関わりたくな…」
「何回も言わせないで!それは、私のなの!」
「最後まで話聞いてって…
これじゃ何回も同じ事の繰り返しになりかねないでしょ」
目の前の少女はさっきと似た声を出しながら少し悩んだ後、ANJIの耳が拒絶する事も構わず言い放った
「じゃあそれあげるから弁償して!あるいは新しいの買って!」
……
「……」
呆れて物が言えない
「ねぇ!」
「分かったよ、分かりましたよ、わるぅございましたよ!
今お金は連れが持ってるから待ってくれないかな
僕の杖をちょうど買いに行ってるから、代わりにそれあげるよ」
この少女の相手をしているとストレスで寿命が縮みそうだ
だがANJIの提案は幸いにも受け入れられたらしく、少女は一応納得したかの様な面持ちをしている
「何処にいるの?」
「日が暮れる頃には教会前で落ち合う予定だよ
まだ結構掛かると思うから待っ」
「待てないわ」
また遮られた ここまで来れば寧ろ清々しい
「じゃあ、一体どうしろっていうんだよ!
連れは今、この人混みの中で買い物してるんだよ?
探してたらそれこそ日が暮れちゃうよ」
「探せば良いじゃない!日が暮れるまで暇よりマシよ」
…仕方ない、腹を括ろう
「…君の名前は?」
「YUMIよ」
「僕はANJI」
「そっ よろしくね」
「うん…よろしく」
>>17頼む
2009-03-30 18:58:00
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[14] By 名無し ID:
>>13続
未だ惚けているANJIが手にした杖を見るなり
「あーっ!!ちょっとアンタ!」
と、ANJIの両肩を強く掴み、前後左右に激しく揺さぶった。
「それアタシのッ!どこにあったの!?返してよ!」
ガクガクと揺さぶられ、耳元で質問責めに遭ったお陰かようやく我に帰るANJIだが、状況を把握する間もなく杖を奪われる。
何が何だか分からないANJIは、唯キョロキョロと辺りを見回す事しか出来なかった。
相変わらず人々はANJIを避け、怪訝そうな顔をしながらこちらを見ていた。
「ちょっとアンタ、何か言ったらどう?」
やや下から見上げる様に睨み付ける少女。
良く見ると、少女の羽織るケープにはバスカリア神学校の校章が縫い付けられていた。
校章を見る限りでは一学年下の生徒の様だ。
「えっと…ゴメン、それ君の―」
「だからこうしてアタシが持ってんでしょ?」
言葉の途中で遮られ、パクパクと動くだけの口。
しばしの沈黙の時間が流れる。
その間もジッとこちらを睨み付ける少女。
――気まずい…
ゴニョゴニョと言葉にならない音を発しながら戸惑うANJI。
だが、ふとある事に気付く。
「あ、あれ?君神学校の生徒だよね?」
突然された杖には関係のない質問に少しキョトンとする少女。
「それがどうかしたの?」
「なら今日のこの時間はまだ授業が…」
「なっ…!」
不意を突かれたのか、分かりやすく動揺する少女。
ワタワタと意味の分からないボディランゲージをしている。
「べ、別にサボって探してた訳じゃないわよ!?」
――サボってたんだ…
弁解する少女を余所に自己完結するANJI。
ウ~ッと唸りながら少し顔伏せる少女。
「まぁ、見付けてくれたみたいだからお礼くらいは言っておくわ、ありがと!」
そう言い放ち、早々と去っていった。
結局、事態をイマイチ飲込めないままANJIは一人街中に取り残されてしまった。
「何だったんだ…」
ガックリと肩を落とすANJI。
今日一日分の体力を使い切った様な疲労感が体の底から込上げて来た。
「ま、気を取り直して行くかな。それにしても不思議な杖だったなぁ…ってあれ?」
ふと足元から乾いた木の棒の様な音がした事に気付く。
――嫌~な予感…
恐る恐る下を見ると、先程の少女がアタシのだと、ANJIから奪い取った杖に良く似た杖が転がっていた。
>>16
2009-03-30 13:55:00
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[13] By 名無し ID:
>>12のつづき
強く尻を地面に打付けたANJI。
「痛たた…何だよこれ…」
少し涙目になりながらも立ち上がり、ボロっちい木材の切れ端の様な杖を拾いあげる。
「持ち主を探さないと……こんな杖に持ち主なんかいるのかな…?」
黒ずんだ杖を眺めながらそう一人呟くANJI。
すると、杖から薄く光が放たれている事に気付いた。
次の瞬間、ANJIはその杖から放たれる何とも言えない不思議なオウラの流れを感じ取った。
まるで意識を体から連れ去り、何処かへ飛んで行く様な、そして世界の全てを見せてくれる様な不思議な力。
ぼんやりと靄の掛かっていた頭の中が、スッキリと晴渡る様な感覚。
「これは…凄い…」
ボロっちい杖改め、凄い杖の持つ不思議な力の虜になり、惚けるANJI。
その姿は、傍から見れば唯の怪しい男だった。
そこへ、ANJIを避ける様に歩く人々の中、1人の少女がこちらに向かって歩み寄ってきた。
>>14へ
2009-03-30 13:20:00
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[12] By 名無し ID:
>>11
やはり人混みの中を(…目的はともかく)歩き慣れているのか、KIDの足取りはかなり速い
ANJIが慣れない雑踏を前にあたふたしている間に、気付けば2人の間には結構な距離が空いていた
ふと、KIDがANJIを振り返り口を開く
「やっぱりお 前、こういう人混みは慣れてないみてぇだな」
ANJIが言い返そうとするが、KIDはまだ言葉を接ぐ
「別に無視してた訳じゃない、少しお 前を見てただけだよ
もう1人を探すのは良い案だと思うし、ANJIは今そっちの方がいいだろな
少し別行動で良いんじゃないか?」
案外、KIDは人を見る事に慣れている様だ
正直ANJIにも有り難い提案なので、断る気はさらさらなかった
「分かったよ、買い出しは任せて良いんだね?」
「あぁ、お互い慣れた事やった方が早い」
喧噪の中立ち止まり続けるのもそろそろ辛い
「じゃあ、僕は人探しか…
とりあえず、日没までには何処かで落ち合いたいかな
教会の前で良い?」
「おう、ちゃんと人選べよ」
KIDも特に異存はない様なので、お互いに軽く手を振って別れる
こういう時に行動が早いのは、相方として頼りに出来るものだ
(…まずはこの人混みから抜けよ)
その相方が言う通り人混みが苦手なANJIは、少し苦しいがKIDの歩き方を真似ながら昼の喧騒を後にした
ズルッ
「わっ!?
…あれ?今何踏んだんだ?」
その足元には、小振りな一本の杖が転がっていた
>>13よろすく
2009-03-30 06:54:00
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[11] By 名無し ID:
>>9の続き
駐屯地を離れ、喧騒の街中へと戻った二人。
「よーし、攻撃は最大の防御、まずは武器を盗…買わなきゃなんねぇな!」
そう言い、意気揚々と人混みへ分け入るKID。
その後を少し遅れながらANJIが付いて行くが、どこか様子がおかしい。
「本当に僕達だけでドレイクなんか倒せるかな…」
力無い小さな声で呟く。
どうやらANJIは緊張しているのか、顔色が良くない様に見える。
しかし緊張するのも無理はない。
幾らドレイク種の中でも劣等種にあたるLESSER DRAKEが相手とは言え、駆出しの冒険者には少し難しい課題と言えるだろう。
「KID、誰かもう一人探さない?」
そう提案するANJIを余所に、ズカズカと人混みを進むKID。
無視しているのか聞こえていないのか分からない。
不安感もあってか、少し苛立つANJI。
――本当に二人でやってけるのかな…
一抹の不安を残しながら、武器屋目指して進んで行く二人。
あまり優れない空模様が、二人の行先を暗示しているかの様だった。
>>12ガンバ
2009-03-30 01:56:00
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[10] By あ ID:
ぶった切ってごめんなさい。
参加したいのですが、キッドとアンジの現在の詳細みたいなのを>>1にまとめてもらえれば助かります。
例えば、現在のレベル 職業 装備品とか
2009-03-30 01:25:00
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[9] By 名無し ID:
>>6の続き
BILL中尉『君達には今からフラップ草原で暴れているドレイクを10体狩ってきて欲しい』
KID ANJI『へいよ ナメクジ10体ですね?』
BILL中尉『違うぞ ドレイクだ 分かったな?』
KID ANJI『分かりましたよ中尉』
BILL『君達に装備を買うお金1000Bを皇国軍から支給しよう 装備を整えて退治してきてくれ』
次は>>11
2009-03-29 15:01:00
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[8] By 名無し ID:
主人公はアンジとキッドで固定か…
野 郎ばっかはむさ苦しいッス。
2009-03-29 00:39:00
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[7] By 無し ID:
ルールが厳しくて伸びない予感
2009-03-28 17:54:00
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[6] By 動きが無かったので… ID:
>>>32.1472
>>4
KID:まずはBILL中尉のところに行こうか。任務内容を確認しないと
ANJI:そうだねKID君
―バスカルアック区 皇国軍駐屯所前―
>>9へ
追記:編集しましたっ>>9さんありがとうございます
2009-03-27 21:39:00
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