[59] By たぁっでしたってんねんけど? ID:
>>58から
怪物は真っ直ぐこちらに迫って来る。
ビル「くっ、仕方ない、体制を整えるぞ。まず第一に考えるのは自分の命だ。第二は仲間の命だ。危なくなったら迷わず逃げろ。良いな?
アンジ「は、はい!
声を出したのは彼だけだったが、全員が頷く。
ビル「よし、散れ!
号令と共に、ザルド、ティールが左右に別れる。
アンジ「え?え~っと!?
キッド「ほら、行くぞ!
キッドが彼の手を引き、ティールよりさらに外側から回り込む。ジャンとユミィはザルドの向こうへ向かった。シドは石に躓いて
シド「痛っ!
転んでいた。不意に、空が陰ると、
ズウゥゥゥゥゥンンン……!!
地響きを立てて地に落ちる。立ち込めた砂煙の中から現れたその姿は、朝日を受けて赤く輝いている。それは、ドレイクなどではなかった。それは、「竜」の名を借りた紛い物の化け物などではなく、古の伝承にある「龍」、そのものだった。
ビル「エンシェントドレイク……いや、ドラゴンかっ!相手にとって不足はないっ!
ビルは背中に手を回すと、長い柄を掴み片手で振り回した。風が唸り、その風に触れた草原の草花が切れて宙を舞う。やがてピタリと止まった長柄の先に、広刃の斧が朝日を照り返して輝いている。
ビル「紅き龍よ!大地を這う者の代表としてそなたに申し入れる!!
ドラゴンの低い唸り声すら掻き消すような大音声が轟いた。品定めをするように辺りを見回していた奴の眼が、ビルを見つめる。
ビル「我はバスカル方面軍司令、ビル中尉なり!いざ、尋常に、勝負っ!!
駆け出した彼に応えるように、ドラゴンの怒号が、赤く染まった草原にこだました…
>>60よろしくお願いします…
2009-11-04 04:27:00
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