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[32] エターナルストーリー(仮)


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[431] By 名無し ID:
>>421


W「くっそぉ…今の黒ローブは誰だよ!?」

ウィークは走りながら毒づいた。
記憶を頼りに、過去の自分を探すが、マザーを襲ったらしい連中のことが気になる。

W「まさか、ムスカとか呼ばれてた野郎か!?セアリスを攫った…」

彼ら、黒の教団も真っ黒なローブに身を包んでいた。
この騒動を手引きしたのが奴等ならば、話に説明がつく気もする。

W「おっと、…みつけたぜ…」



W「花、ハナ、はな……
どんだけいるんだよ!?」

Y「マンイーターなのに人を襲わないのは疑問に思ってたけどね…」

ビルたちはマンイーターの群れを片っ端からたたき始めた。
あちこちで赤い花びらが散る。魔法の光が、魔物の体を灼いていく。
だが、その数は圧倒的で減る気配を見せないままだ。


ウィークはマンイーターの影に隠れながらも、舞うように剣を操り次々と花を散らしていった。

W「俺も強くなったもんだよなぁ…このころは、ドレイクに飲み込まれたりいろいろあったのに」

ザシュッ!

呟きながら近場の妖花に剣を突き立て、とどめをさした。

ビル達の方を確認すると、丁度ゴブリンファーザーが食われかけているところだった。

みんなは遠巻きにそれを眺めている。

W「うむうむ。この辺だな。あとはこの石を持って"俺"に近づくだけ…」

ウィークはマンイーターの隙間をするすると縫いながら接近した。
みんながウィークに気づく。
「まさかあれがGM?」「ゲームマスター、ゼネラルマネージャー?」「いや、ゴムだろ」「GAーン俺のMAゾを受け入れてくれないのかよ、の略だろ」
好き勝手な呟きを聞き流し、やるべきことをシミュレートする。
果敢につっこむ、さっくり負ける、さわやかな笑顔で去る。この三つだ。


W「きえぇぇぇぇぇ!」

果敢につっこんで、

グシャッ!!!

W「ぐはっ!!」

さっくり負けて、

W「あっ!それじゃあ僕は3の腹ごしらえで」

さわやかな笑顔で去る。



…ウィークがみんなの微妙な表情を見ることはなかった。

W「完璧だ!俺できたよマザー。これで何か変化があるんだろ…過去の俺か、今の俺に!」

…ウィーク本人は晴れやかだ。



ウィークは石をポケットにつっこんでいたので気づかなかったが、もちろん変化はあった。
石自体にも。
ウィークが過去のウィークに近づいた瞬間から薄い光を放ち始めた石は、ゆるゆると透けていき、いまやその中にある真っ赤な宝石を映し出していた。
ポケットの中で発光する石はやがて、その光でウィークそのものをも包み始めた。
走りながらみんなから離れるウィークはそれに気づき、石を取り出した。

W「な…なんだこれ…」

赤い宝石が内部に輝く石は、その光でウィークの目の前の空間を切り裂いた。
リコールストーン…あるべき場所へと還す石…
この石の名だった。
そして切り裂かれた時空は、世界にほんの少しの"揺れ"を与えた。
揺れる世界の中でウィークは、『過去』を見る―――…


2007-09-28 21:31:00
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