スレッド: エターナルストーリー 2nd Season
[51] By たぁっでしたってんねんけど? ID:
>>50から
アンジ「あ…あれ!?場所、間違えたかな?
市場街に来たは良いが、夜中ともなれば人の気配も無く、そこにいるはずの人物も見当たらない。
アンジ「と言うか…ここ、ドコ?
焦っていたのか。さっきの出来事が尾を引いているのか。寝ぼけてるのか。彼は街中で迷子になっていた。そんなだから、暗闇から足早に近付いて来る人影にも気づかない。
ザルド「全く、3分って…それにしてもどうすれば…おわっ!
アンジ「わあっ!!
ズシャッ!
急ぎつつも考え事をしていたザルドも、注意力不足だったようだ。二人はぶつかって転がり、あたりに大量の袋がばらまかれた。
ザルド「大丈夫か!?済まない!急いでるので失礼する。では!
そう言い残し、闇に溶けていった。
アンジ「痛たたた…
?「あーあー。おい、大丈夫か?
アンジ「え?
振り向くと、散らばった袋を拾い集めている男が一人。
アンジ「あ、ありがとう。ごめんなさい。
?「なぜ謝る?悪い事はしてないだろ。それよか、酷いのはさっきの奴だ。
アンジ「いや、僕も考え事してたから…
?「ところで、なんだこれ?やけにいっぱいあるけど。
そう言って彼は中を覗き込むと、中身を指ですくってみる。
?「やけにヌルヌルするな。
アンジ「ああそれ、なめくじの体液です。
?「なめ……?ぉわぁっ!!
叫ぶと、彼は袋を投げ出してしまった。
アンジ「あぁ、袋が。
?「そ・そ・そ、そんなもん、どうするんだよっ!?
アンジ「どうって…よくわからないけど、なんか交換してくれるんです。
?「はぁっ!?…ま、良いか。じゃあな、気をつけろよ。
アンジ「あ、待って下さい!
立ち去ろうとした背中に、慌てて声をかける。
?「あん?
アンジ「砦まで連れて行ってくれませんか?道に迷ってしまって。
そう言って恥ずかしげに俯く彼を見て、しばらく固まっていたが、不意に、
?「ぷっ、ははは!
大声を上げて笑い出した。
アンジ「ちょっ、笑わないで下さい!それに夜中ですよっ。
?「悪い悪い。しかし、街中で迷子になったってか…
横目でアンジを見て、
?「ぷっ。
また笑った。
アンジ「……。
火が出るほど恥ずかしかったアンジだったが、少し打ち解けた気がして、むしろ気が楽になった。
アンジ「僕はアンジって言います。君は?
?「俺か?俺はジャン、よろしくな。
言って差し出した彼の手を握り、アンジは立ち上がるのだった。
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2009-11-03 16:17:00
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