スレッド:リフェール練兵所 総合雑談④
[1143] By はあきたか ID:
私たちはキッチンで、腕をのばせば届く距離を置いて向きあって立っている。私はぴかぴか光る銀色のスプーンを二本持っていて、あなたは実家にあった古いおもちゃ箱から二人で見つけた木を焼く鏝を二本持っている。私たちはそれぞれの道具を顔の高さに持ち上げる。あなたの目は空の色だ。軽い、冷たいスプーンがあなたの頬に当たっている。あなたの手が私の髪をなでる、柔らかにこもったさらさらという音が聞こえる、電気の通って木焼き鏝のぶーんといううなりが聞こえる。私は自分の目を開けたまま、丸い冷たいスプーンをあなたの眼禍に押しつけ、あなたの顔にまっすぐ直角に押し込む。あなたはまばたきしようとする。私はもう一度スプーンを押し込む。私の頭が石炭のように感じられる。私は何もかもすべてを感じることができる。私はぎゅっと目を閉じる。何もかもがふたたび熱くなる。あなたはあえぎ声を上げる。
2010-03-12 23:38:00
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