スレッド:スレタイ訂正中…
[144] By 紫電 ID:
CLANNAD
-クラナド-
株式会社key作品
[ストーリー]
校門まで残り200メートル。そこで立ち尽くす。
「はぁ」
ため息と共に空を仰ぐ。その先に校門はあった。
誰が好んで、あんな場所に校門をえたのか。長い坂道が、悪夢のように延びていた。
「はぁ…」
別のため息。俺のよりかは小さく、短かった。隣を見てみる。
そこに同じように立ち尽くす女生徒がいた。
校章の色から、同じ三年生だとわかる。
けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。
「この学校は、好きですか」
「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。
「わたしはとってもとっても好きです。
でも、なにもかも…変わらずにはいられないです。
楽しいこととか、うれしいこととか、ぜんぶ。
…ぜんぶ、変わらずにはいられないです」
たどたどしく、ひとり言を続ける。
「それでも、この場所が好きでいられますか。
わたしは…」
「見つければいいだけだろ」
「えっ…?」
驚いて、俺の顔を見る。
そう。何も知らなかった無垢な頃。誰にでもある。
「ほら、いこうぜ」
俺たちは登り始める。長い、長い坂道を…。
2009-06-27 01:02:00
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