[96] By 暗示kid弓ィ ID:
>>95
「やったか!?」
しかしキッドの斧は奴のマントに吸い込まれて空を切る。彼はマントが防御の役に立つ事を初めて知った。
「…くっ。」
「え~いっ!」
敵の背後に回ったユミィの槌が頭部にめり込み、兜が大きくヘコむ。
「きゃっ、当たっちゃった。」
「ギィッ!」
しかし効いた様子はなく、奴は面当ての奥の瞳をユミィの方へ向けた。
「ちいっ!オイ、短足!おまえの相手はこの俺だ!」
キッドの言葉が通じたのか、今にもユミィに襲いかかろうとしていた刃先がピタッと止まり、頭をキッドの方へ向ける。
「あれ?怒った?」
ざわっ…
その時だった。にわかに増大した何かの気配が周囲に満ちていく。まるで森に隠れた獣がこちらを狙っているみたいだ。気配に怯えるかのように、辺りの小石がカタカタと震えた。
「な、なに?」
「この感じ、ドラゴンの…」
思わず振り向いたキッドだったが、気を取られたのがいけなかった。
「キッド!」
「ぐわっ!?」
攻撃を捌ききれなかった彼の斧の柄が、すっぱりと叩き斬られる。
「しまった!」
武器を失って為す術を無くしたキッドに敵の凶刃が迫る!
次の瞬間。
『クラストっ!!』
強い意志を秘めた言葉が森に響き渡った。
>>97ヨロシク
2009-11-12 16:54:00
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