スレッド:エターナルストーリー(仮)
[73] By 花鳥風月 ID:
読み切り
『ENDLESS DADA』
冷たい空気‥
光の差し込まぬ場所
ここはザインの奥地『ジュラ』と呼ばれる魔層窟…
生きとし生ける者を拒み‥妬み‥怨み続ける闇の住人のみが足を留める事ができる。
ジュラにはもはや立ち入る者はいない…
先の聖戦で滅びた筈のゴーラ人達を除いては……
「ダダ様!」
「ダダ様!!」
荒れた声は暗く濁った魔層窟に響き渡る‥
空気は重く
周りは血の滲む酷い匂いが漂う‥
ダダと言われたゴーラ人は僅かに入り込む風に金髪の髪をなびかせる‥
しばらく眉間にシワをよせていたが、しばらくして重い口を開く
ダダ「(‥もはや此れ迄…籠城も時間の問題で破られる…か‥。)残存してる兵に直ちに伝えろ‥…これより我が隊はジュラの魔中層の深層へ向かい、戦力を整えたのち再び刻を経てメノーアへ攻撃を行う…」
一志報いる想いがある分、苦痛の選択だったが‥
現状で残存するダダの隊は43名と僅かな兵のみ…
更に、暗黒魔術と聖魔術によれ破滅からかろうじて生き延びたものの追い込まれ重軽傷のゴーラの兵士達が大半だった今は抵抗するすべはもはや無かったのだ…
ゴーラ兵「…ダダ様」
ゴーラの血が滲む下層は重い空気を更に重く…ダダの口から出た決断は更に隊の兵士達には絶望に近いものだった…。
下層を兵士達が互いに傷をかばいながら暗闇の道無き道を進む…
ヒュッ‥
突然だった
前方から矢が狭い層窟の僅かな風を切り雨の如く降り注ぐ…
ダダ「!!」
それは余りに突然だった…
ダダ「……ザインからの兵士達‥テルミラの使いか!」
前方から数十人はいるだろうレンジャーから放たれる矢は正確に一人‥また一人を射ぬく…。
突然の奇襲に混乱する隊はもはや陣を崩し壊滅寸前
逃げる兵は次々と倒れる…
戦える兵もウォーリアーの軍隊の多勢に倒れる…
ダダ「(プラッツから中層の入り口を進んだ我等をザイン側から挟み打ち…はめられたか‥‥おのれ‥)」
ダダはゴーラ隊長格の中でも唯一魔術を永唱できない稀な存在だったが、それを補う剣術と兵士達からの信頼があった…。
依然として降り注ぐ矢の雨の中をダダの声が響き渡る
ダダ「生きてる兵よ!!血路を開く!!生き延び!隊の事を!この事を伝えてるんだ!!」
士気を失いかけた兵へ激励と共に
ダダは軍隊を次々と斬り崩してゆく……
~2部へ続く
2007-07-19 22:10:00
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